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22/7 定期公演 “ナナニジライブ” #8 レポート
3rdシングル「理解者」からスタートした『22/7 定期公演 “ナナニジライブ” #8』。8人が1人ずつボーカルをつないでいくAメロ、サビ後のセリフ…。歌詞やボーカルからもヒリヒリとした痛みを感じる楽曲を、フォーメーションダンスで表現していく。メンバーの表情もシリアスで、曲の世界にグッと引き込まれてしまう。最初からナナニジのライブパフォーマンスのカッコよさをまざまざと見せつけられると、続く「韋駄天娘」でライブの熱気を一気に上昇させていく。全員が汗だくになりながらの躍動感溢れる全力ダンス。その中にも振り向いてのうさぎさんポーズなど、かわいさもあり、メンバーも自然と笑顔がこぼれる。横並びになって飛び跳ねるところでは、メンバーひとりひとりが客席を隅々まで見渡し、満面の笑顔を届けていた。
自己紹介MCでは、「4thシングルのリリースが嬉しくて、嬉しさをリボンで表現しました!」と武田愛奈が大きなリボンを指差す。このあとソロコーナーが待っている宮瀬玲奈は「すでにドキドキしているんですけど、ハピハピハッピー8月だよ!ということで頑張ります」と元気に挨拶。その他、白沢かなえが、“かなえる”以外に“えるちゃん”というあだ名が増えたということ、天城サリーが髪を短くしすぎたことを報告したりして盛り上がる。そして、4thシングル「何もしてあげられない」が前日の8月21日に発売されたことを伝えると、客席からは「おめでとう!」の大きな声が起こっていた。
だが、まだ新曲のターンではなく、続いては「シャンプーの匂いがした」。シングルの表題曲の中では、一番笑顔が多い楽曲で、サビ以外はペアで歌唱していくのだが、2人で声を合わせながら、柔らかく優しい表情で歌っていたのが印象的だった。イントロの振り付けと切なく美しいメロディラインが魅力の「不確かな青春」は、いつ聴いても心がキュンとする。青春の1ページのような曲の最後は、メンバー同士で4組に分かれてぎゅっとハグをするのだが、久々に11人揃ってできたことも、とても嬉しいことだった。
続いてのMCでは、アーティスト写真撮影の裏話などを話していく。背の高さ順で並んだとき、海乃るりは一番背が高いことを気にしているそうだが、天城サリーは逆に背が高く見せたいそうで、背伸びをして撮影していたことを告白。その流れで、加入時、帆風千春と西條和が同じくらいの身長だった話題になり、ここであらためて身長を比べてみようということに。背中合わせで計ってみると、わずかに西條が高いことが判明……これには西條も喜びの表情を浮かべる。実は加入時から2cmほど身長が伸びているそうで、まだまだ成長途中とのこと。そして、定期公演お約束の茶番から、宮瀬玲奈のソロコーナーへ。
宮瀬玲奈が用意してきたパフォーマンスは「マジックショー」。これまでとは毛色が違うというか、アプローチを変えて、音楽とはまったく違うジャンルで来たのは驚きだった。だが、それも彼女らしいと言えば彼女らしい。まずは軽く、ボールを何個も出してはカップに入れていくマジックから。これも見事な手さばきと視線の送り方で、種も仕掛けもわからない! お客さんも手からボールが出てくるたびに、素直なリアクションをしていた。さらにロープを使ったマジック、そしてサインを書いた布を小袋に移動させるという瞬間移動のマジックまで披露。何より、魔法をかけるときに掛け声が「てじれいにゃん」(手は猫のポーズ)だったことが、圧倒的にかわいかった。そして最後はカードを6つ用意し、客席からサイコロを投げてもらい、その出た目のカードに書かれたテーマについて語っていくという、トーク&マジックコーナーを実施。マジックとしては、一番最後に出るカードのテーマを当てるという予言マジックだ。
サイコロの目で出た5つのトークテーマ。まずは[立川絢香]について。バラエティ番組の『22/7 計算中』で、絢香ちゃんとして喋るにはどうすればいいのか悩んだことが多かったらしいのだが、それを乗り越えたことで「今は絢香ちゃんがそばで寄り添ってくれているような感覚になってます。これからも2人で頑張っていきたいです」と力強く伝える。そして先日決まったメンバーカラーの[ピンク]について。大好きな色なので「これからもピンクのペンライトをよろしくお願いします!」とアピール。[宮瀬玲奈]については、「こうやって宮瀬玲奈としてステージに居ることがとっても楽しいです」と笑顔で言うと、続く[家族]というテーマでは、少し涙を我慢しながら、かけがえのない家族に感謝の言葉を口にする。2択になったお客さんが選ぶテーマの最後は[ラーメン]。最近のおすすめは上北沢にある「らぁめん小池」だそう。
そして最後の1枚となったカードに書かれていたのは[ファンの皆さんの笑顔]。予言の封筒にも同様の文字が書かれていて、予言マジックは見事に大成功! 「ファンの皆さんの笑顔が本当に大好きです。私もいっぱい笑顔になって、メンバーもみんなも笑顔の世界にしたいです」とメッセージを伝えてソロステージを締めくくった。彼女のその思いが、ライブの最後のMCで言った「エンターテイナーになりたいです」という言葉に集約されているのだろう。歌やダンス、そして芝居やトークやマジック。あらゆるものでファンを笑顔にしていくんだという彼女の力強い決意みたいものも感じたし、これからもみんなを笑顔にする“れいにゃん”を見ていたいと思えるステージだった。
メンバーが最新シングルの衣装になり、かわいかった~!と口々に感想を言いながら再登場。オープニングで流れた英語の「Ladies and Gentlemen~」は、宮瀬に頼まれ、天城が男性声で収録したことや、取材の合間にもマジックの練習をしていたという裏話を語っていく。そこに新衣装に着替えた宮瀬玲奈もホッとした表情で合流、大きな拍手で迎えられる。「一人で立つステージは不安でしたけど、皆さんが温かくて、そんな皆さんと(マジックが)できて良かったなと思います」と伝えると、次回のナナニジライブの予告とソロコーナーを担当するメンバーが涼花萌であることを発表。「私の取り柄である可愛い顔……間違えた(笑)。取り柄である可愛さと! あと元気がいっぱいのステージにしたいと思います。頑張るっちゃ!」と彼女らしく意気込みを語っていた。

ライブ後半は4thシングルからの曲を立て続けに披露。まずは「ロマンスの積み木」から。昭和をテーマにした曲で、大人な恋愛の心情を歌っていく。懐かしさも感じる振り付けも見どころで、前回の定期公演で一度披露しているが、この日は今後、一部振り付けをみんなにしてほしいということでレクチャー。倉岡と宮瀬が「僕たちの愛は積み木だ」と歌っている箇所なのだが、フレミングの法則のような手の形が特徴なので、ぜひ次回はその動きを合わせて一緒にやってみてほしい。
さらに新曲の「Rain of lies」を初披露。終わりの恋の感情を雨と重ねて歌った曲で、最後は晴れ間が見えるような曲だと紹介して曲が始まる。11人で2つの大きな円を作り、くるくると回りながら歌っていく。切ない歌詞なのだが、楽曲自体は四つ打ちのダンサブルなポップスでなので、「Rain of lies」と全員で声を合わせて歌ったあとのアガる間奏部分は、ダンスフロアのように、全員が音に身を任せて踊る振り付けになっていた。ちなみにこの振り付けは、振り入れが海乃るりの誕生日だったということから、メンバー間で「るりパ」と呼ばれているらしい。
本編ラストは初めて11人で歌うこととなったシングルの表題曲「何もしてあげられない」。この曲の始まりは西條がたった一人でステージに立っているところから始まる。それに気も止めずに歩き去っていく人々を表現し、そして11人が合わさり、冒頭の歌詞にある風に揺れる木の枝を描く。「友達は欲しくない」など、センセーショナルな歌詞もあったり、すごく後悔の念も感じる曲だが、だからこそ聴いたときに何か考えさせるような、心にズンと残るような、そんなパンチのあるパフォーマンスが求められると思うのだが、今のナナニジの11人であれば、“大切な人に何もしてげられないもどかしさ”というテーマでも表現することができる。そんな彼女たちの成長を感じる曲だし、実際に、そのメッセージはしっかりファンに届いていたと感じた。
今回、<挑戦企画 in ナナニジライブ>は夏休みということで、アンコールでは楽曲のみを披露。まず「未来があるから」で一緒に盛り上がる。ライブでたくさん歌ってきた曲だからこその表情の豊かさ。リラックスした笑顔がとてもまぶしい。
最後のMCでは「何もしてあげられない」がオリコンデイリーチャートで4位を記録したことを報告。これまで出してきたシングルでも一番高い順位で、帆風も「初めて11人で歌うということで、私たちにとってもとてもとても大切な曲です。11人で歌わせていただけるということは応援してくださる皆さんが、11人で歌う姿をもっと見たいと言い続けてくれたからです。その曲でこういう順位を獲ることができて本当に嬉しいです」と感謝の気持ちを伝えると、ラストは「循環バス」で、ほっこりとした気分になりライブを終えた。

次回『22/7 定期公演 “ナナニジライブ“ #9』は9月30日(月)に開催。また、デビュー日である9月20日(金)には22/7 『Anniversary Live 2019』をマイナビBLITZ赤坂で開催する。2020年1月からのTVアニメと、これからさらに勢いが加速していきそうだ。



<SETLIST>

M1「理解者」
M2「韋駄天娘」
MC
M3「シャンプーの匂いがした」
M4「不確かな青春」
MC
<宮瀬玲奈 ソロステージ>
マジックショー
MC
M5「ロマンスの積み木」
MC
M6「Rain of lies」
MC
M7「何もしてあげられない」

EN1「未来があるから」
MC
EN2「循環バス」
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