SPECIAL
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『22/7 ANNIVERSARY LIVE 2025』
公式ライブレポート
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秋元康総合プロデュースのもと、Sony MusicとANIPLEXがタッグを組んだデジタル声優アイドルプロジェクト22/7(ナナブンノニジュウニ、通称「ナナニジ」)。そのデビュー8周年を記念した「22/7 ANNIVERSARY LIVE 2025」が、東京音楽大学 100周年記念ホールにて開催された。「全員が主人公」というテーマのもと、メンバー7人が一人ひとりセンターを務める楽曲で個性を輝かせたばかりか、2期生は声優として演じる役のキャラクターソングをサプライズ初披露、さらに3期生もサプライズでお披露目されるなど盛りだくさん。先週12/10(水)にリリースされ、オリコンデイリー1位を獲得した3rdアルバム『ABC予想』収録の新曲3曲でも、グループの〝今〟を感じさせる。来年開催する2つの大きなライブを早くも発表し「第3章」の幕開けに期待がふくらんだ夜公演の模様を中心にレポートする。
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「22/7は、もっともっと大きいステージを目指します!」
7人のメンバーとキャラクターたち、そして3期生8人が証明した「全員が主人公」の物語
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チクタクと時を刻む音とともにステージ背景に投影された秒針はグループ名に「永遠の可能性」を懐いて〝答え〟を求め続けるナナニジらしく回転する数学記号のようにも見える。ネイティブの手腕を活かして世界中に活躍の幅を広げている天城サリーによる英語の口上が盛り込まれドリーミングなメロディのOverture(ANNIVERSARY LIVE 2025 ver.)に牽引されるように登場したメンバーたちは純白の「プリンセス衣装」に身を包んでいた。7人のプリンセスたちは『君とどれくらい会わずにいられるか?』でドレスの裾をひるがえし、ロマンチックな舞踏会へと会場を変えていく。アイドルの誇りをティアラに宿し、落とすことなく真っ直ぐ前を見つめる彼女たちの美しさに、ただただ見惚れるのだった。
毎年、思いもよらない試みでナナニジの進化を感じさせてくれるANNIVERSARY LIVE。今回は、一人ひとりの決意の言葉とともに、白いドレスのスカート部分をメンバーカラーに変え、各々選んだ曲のセンターを担って歌い継ぐことで驚かせた。この夏、デビュー当初からナナニジの象徴的な存在だった西條和が卒業し、3期生のオーディションが「主人公募集」と銘打って開催される中、現行の7人も言わずもがな「主人公」であることを見せつけるステージが次々と展開する。
プリンセス衣装が映える「君とどれくらい会わずにいられるか?」を皮切りにライブの幕が開いたのち、場内には「ナナニジのプリンス」こと月城咲舞のナレーションが流れ出す。
「“かっこいい”は、もう聞き飽きた」という彼女の想いは、自身の武器である“ダンス”が、かっこいい曲だけでなく、いわゆるナナニジらしい曲でも貢献できることを誇示する。まさに“ナナニジらしさ”を詰め込んだ『世界の矛盾』で、しなやかで美しいソロダンスで魅了してみせた。
河瀬詩は、ずっと背中を追ってきたメンバーの卒業を経て「憧れ続けるのは、もう、やめた」と強い言葉を放ち、その覚悟を『何もしてあげられない』で昇華する。普段はフラットに見える河瀬だが、途中加入がゆえの特殊な状況で、ここまでの年月で水面下でどれほどもがいているかが明るみになるような鮮烈な光景だった。
十二分に“可愛い”麻丘真央が「可愛いだけじゃ……もう、つまらないでしょ?」と欲張って見せたのは、退廃的な『絶望の花』。色気のあるまなざしの中には正々堂々媚びない芯があり、はつらつとした麻丘らしいセクシーさで魅了した。“可愛い”だけのアイドルには収まらない、まさにアンチテーゼのようなパフォーマンスだった。
望月りのが、重ね合わせることはなかった先輩の「声」への憧れを込めたのは、『ロマンスの積み木』。引き継いだ際に、「小さく、身震いしたのを覚えている」と語った、この曲の歌い出しの系譜。歌い継がれた歴史、そして望月自身の舞台への出演などを通して積み上げてきた経験が作り上げるステージは圧巻の一言。伸びやかな歌声は間違いなく、このグループの武器の一つだ。
「不揃いのまま、止まっていた音がある」という想いとともに、『最後のピアノ』を持ち出したのは相川奈央。紅白ユニット曲としてリリース後、7人で組まれたダンスフォーメーションを、一度もファンの前で披露ができないままだったこの曲。そのイントロを自らピアノで演奏して魅せたのち、ナナニジ屈指の激しいダンスで、その“完璧”を届けてくれた。また「聴かせてほしい」と凄みあるセリフには客席から喝采が上がるなど、柔と強の両面を持ってグループを高次元へと押し上げる。
椎名桜月が愛らしい歌声で心をくすぐる『シャンプーの匂いがした』。「この曲を歌うたび、そっと香りを取り戻す」というナンバーは、後輩たちにアイドルの何たるかを教えて卒業していった先輩たちへの敬愛が込められ、ふんわりと浮かび上がる思い出に空気が華やいだ。踊り続けて体力的に限界を迎えているだろうに、互いの微笑みに自然と声が弾んでいく光景が愛おしい。
「気付いたら1人だ」。そんな寂しさが胸に突き刺さる天城の決意だったが、スタンドマイクを用いた『ハレロ』で、唯一のデビューメンバーとして花も嵐も乗り越えてきた天城だからこその深みがある歌声を響かせる。「ハレロ!」と唱えると暗がりが晴れ、サンシャインイエローのスカートがパッと映える、「ナナニジの太陽」の面目躍如といえる演出でも目を引いた。そして、決して「1人」ではなく、両脇には一列に並びハーモニーを奏でる仲間たちがいる。
「ここからは、ステージ上のみんなが主人公です!」という天城の言葉とともに全員が白いスカートを脱ぎ捨てた瞬間は、まるでナナニジだけの7色を擁した虹が掛かるようで、興奮が湧き上がる。『YES と NO の間に』で、会場中のファンとアイコンタクトをかわしながら、のびのびと個性を爆発させるプリンセスたちの輝きから目が離せない。
ここで、初めてのМCパート。昼夜公演チケットソールドアウトの喜びが伝えられるとともに、自己紹介、そしてここまでの楽曲群の感想も語られたのだが、西條和の今夏卒業により唯一の結成時からのオリジナルメンバーとなった天城は突然の謝罪会見を始める。ナナニジのライブは雨模様が多いという要因が西條と天城のどちらかと言い争っていたことを明かし、西條のいないこの日も生憎の天気ということで、雨女は自分だと確信したという。「ナナニジの太陽」のキャラクターを崩壊させないよう、必死にフォローするメンバーたち。そんなわちゃわちゃとした空気から逃れ、次の曲へと進行する望月。「人によっては前向きになり、人によってはそうでもないが……すごく私もみんなも大好きな曲です」。
その曲は『箱庭の世界』。“狭い世界から飛び出していけ”というアイドルの二律背反ともいえる難しい命題を内包する曲だが、みんなで寄り添い手をつないで歌うことで、ある人にとっては確かな「励まし」となることを信じてメンバーたちは思いを重ねる。天城と望月が背中を合わせて歌い上げる一節が、会場を震わせた。根は腐らず、色は濁らず、咲き誇る彼女たちの強さがただただ美しい。
衝撃は続く。ナナニジにいるもう一人の「主人公」たちにも新たな展開があり、2期生が演じる役のキャラクターソングがサプライズで初披露されたのだ。昼公演では、藤間桜(CV.天城サリー)が『生きることに楽になりたい』で天使の笑顔の下に秘めた葛藤を、斎藤ニコル(CV.河瀬詩)が『孤独は嫌いじゃない』でプロアイドルたる気高さを数年ぶりにライブで披露。先輩たちが立て続けに持ち曲を披露すると、その後ステージに現れたのは2期生の麻丘真央。キャラクターソングを持ってないはずの彼女が歌い出したのは、誰も聞いたことのないメロディ。彼女が演じる桐生塔子(CV.麻丘真央)の得意なダジャレを盛り込んだポップでパワフルなその曲が、この日のために用意された新曲『春夏秋冬猛ダッシュ!』だと判明したのはその後のこと。さらに、織原純佳(CV.椎名桜月)が『愛及証明』をいたずらっぽく披露し、会場がどよめき続けることとなった。
昼公演のMCでは、椎名が2期生に初めてのキャラソンが渡された日のことを明かし、嬉し涙にくれていた後輩たちを見守る河瀬の姿に頼もしさを覚えたが、その横で天城が「キャラソンはもう卒コンでしか歌えないと思ってた」と泣き出す一幕も印象に残る。
満を持しての夜公演では、ギャルな西浦そら(CV.相川奈央)らしいワードセンスが光る『陽だまり計画書』 を自作の振り付けで披露し、氷室みず姫(CV.月城咲舞)はキャラクターの得意技を冠した曲名でもある『Crash』でリミッターを振り切るかのように踊り、瀬良穂乃花(CV.望月りの)が『ひとくちぶん』であたたかな夕景が浮かび上がるメローな歌声を響かせる。三者三様で制作されたキャラクターソングは、まさに「全員が主人公」と標榜するこの日のライブに相応しいサプライズとなった。
その後に披露した3rdアルバム収録の新曲『スパシーバ!』では、ラテンな曲調で歌われる駆け引き上手な女ぶりの良さに会場中が魅了され、ラストスパートにピッタリな盛り上がりを生み出す。そして『今年 初めての雪』では、8年という月日を祝福するかのように空から舞い落ちる白い紙吹雪が本編のフィナーレを美しく彩ったのだった。
だが、夜公演のサプライズはまだ終わっていなかった。アンコールで、この公演の前日に発表されたばかりの3期生メンバー8人が登場したのだ。半年に渡るオーディションを通して向き合ってきた努力と切実さの結晶である22/7珠玉の名曲『命の続き』、そしてオーディション課題曲として秋元康氏が書き下ろし、22/7に流れるイズムを確かに継承する新曲『あちこちに残された走り書きの意味』の2曲を披露。
22/7本体の活動とは別に、22/7_the 3rd(ナナブンノニジュウニ ザ・サード)として単体でも活動することが発表された8人の初ステージ。緊張に震え、溢れ出す涙は初々しく、だが堂々とした圧巻のパフォーマンスを魅せてくれた。一人ひとりの自己紹介を終えると先輩メンバーが登場し、総勢15人がステージにところ狭しと立ち並ぶ。
「初めてのパフォーマンスをこんなに沢山の皆さんに見ていただいて、とても緊張しました。今回私たちが披露させていただいた2曲は、曲のコントラストがすごく激しくて、表情の切り替えや心情表現を3期生みんなですごくたくさん考えて工夫したので、それが皆さんに伝わっていたら嬉しいです」と、しっかりした言葉で伝えるのは、審査員による総合評価1位でオーディションを通過した吉沢珠璃。また、自分の感情をあまり表に出す方ではないという南伊織が涙を流しながら「この 8人と、オーディションで一緒だった 11人が、一生懸命作り上げてきた曲だと思っているので、その気持ちが少しでもみなさんに伝わったら」と口にする姿に、多くのメンバーが涙していた。
そして、ここで2つの重大発表が行われる。まずは、早くも発表となった来年開催するアニバーサリーライブの日程と会場。何と会場は、大切なメンバーを見送った思い出深い、東京国際フォーラム・ホールAだった。最初は、南の「こんなに泣くとは思っていなかった」という発言をいじって冗談交じりで話し始めた天城だったが、涙ながらに語られる思いは徐々に真剣味を増していく。
「私が辞めないのは、メンバーみんなと武道館に立ちたいという思いを掲げてきて、ファンの皆さんとも『もっともっと大きいステージが見たいね』という話をしてきた中で、まだまだアイドルとしては不完全燃焼だなという思いがあるからです。前回の国際フォーラムでは皆さんから勇気をもらう公演をしてきましたが、本当に素敵な3期生たちも入ってくれたので、今度はこの15人で元気を与える公演にしたいと思っています。これから 一年を通して国際フォーラムを満員にできるように活動していきますので、今後とも応援よろしくお願いいたします」
続いて、その前段階として春に3期生が合流する初めてのライブ「15」を東京国際フォーラム・ホールCで開催することも発表する。天城の思いを受け、河瀬の前を見据えるまなざしは一層強くなる。
「22/7はこれまでたくさんの出会いや別れを繰り返し、メンバーそれぞれに眠れなくなるくらい辛いことや悲しいことをたくさん経験してきました。一言で『楽しい活動だったね』と言えるものではなかったと思います。でも、それでも私たちはまだまだ諦めていません。私たちはもっと沢山の方と出会いたし、皆さんの笑顔が見たいし、これからもいっしょに歩んでいきたいなと思っています。3期生の目を曇らせることなく、そして私たち自身が何よりも輝いて活動していけるように頑張っていきますので見守ってくれると嬉しいです」
退場する3期生を温かく見守り「みなさん、まだまだ私たちのことも好きですか?」と天城らしい冗談でファンを笑わせながら、最後の楽曲群へ。
3rdアルバム『ABC予想』のリード曲『理論物理学的 僕の推論』は、ナナニジ第二章を締めくくる曲でもある。ふんだんに散りばめられたセリフと、愛情を知った主人公の切なさと温かさが今のナナニジをこれ以上無く体現する希望に満ちた曲だ。まばたきの数だけ時は進み、涙はこぼれる。いよいよ「先輩」となった2期生たちからこぼれ落ちるプリズムは、ドレスやティアラ以上に彼女たちを輝かせた。
珍しく月城が泣いていることがさらなる涙を呼び込む中、椎名が「いま2期生と呼ばれる後輩メンバーが入ったときの思い出深い曲です。ナナニジに素敵な未来が待っていることを祈っています」と伝えたのは14人になって初のライブツアー「14」の最後に歌われた曲『未来があるから』。高まる愛おしさで、時間はどんどん加速していく。
「もっともっと、大きいステージを目指します!3期生を迎えて15人でもっと強くなっていきますので、9年目もよろしくお願いします!」と最後まで声を張った天城。こうして、次なる目標へと大きな一歩を踏み出した特別な一日は、鳴り止まない拍手の中で幕を下ろした。果たして3期生の黒い衣装の下にはそれぞれどんな色、可能性が秘められているのだろうか? 未来への可能性に満ちた9年目のナナニジを追いかけたい。
※文責:キツカワトモ
※写真提供:ソニー・ミュージックレーベルズ
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■『22/7 ANNIVERSARY LIVE 2025』概要
▼会場
東京音楽大学 100周年記念ホール(池袋キャンパスA館)
▼公演日時
2025年12月14日(日) 開場13:15/開演14:00
2025年12月14日(日) 開場17:15/開演18:00
▼昼公演セットリスト
01.君とどれくらい会わずにいられるか?
02.世界の矛盾
03.何もしてあげられない
04.絶望の花
05.ロマンスの積み木
06.最後のピアノ
07.シャンプーの匂いがした
08.ハレロ
09.YESとNOの間に
10.箱庭の世界
11.生きることに楽になりたい / 藤間桜(CV.天城サリー)
12.孤独は嫌いじゃない / 斎藤ニコル(CV.河瀬詩)
13.春夏秋冬猛ダッシュ! / 桐生塔子(CV.麻丘真央)
14.愛及証明 / 織原純佳(CV.椎名桜月)
15.スパシーバ!
16.今年 初めての雪
-Encore-
En1.22/7
En2.理論物理学的 僕の推論
En3.世界中で歌おうぜ
▼夜公演セットリスト
01.君とどれくらい会わずにいられるか?
02.世界の矛盾
03.何もしてあげられない
04.絶望の花
05.ロマンスの積み木
06.最後のピアノ
07.シャンプーの匂いがした
08.ハレロ
09.YESとNOの間に
10.箱庭の世界
11.陽だまり計画書 / 西浦そら(CV.相川奈央)
12.Crash / 氷室みず姫(CV.月城咲舞)
13.ひとくちぶん / 瀬良穂乃花(CV.望月りの)
14.スパシーバ!
15.今年 初めての雪
-Encore-
En1.命の続き / 22/7_the 3rd
En2.あちこちに残された走り書きの意味 / 22/7_the 3rd
En3.理論物理学的 僕の推論
En4.未来があるから